契約形態を間違えると「作ったものが期待と違う」「追加費用が際限なく膨らむ」といったトラブルに発展します。 この記事ではIT開発でよく使われる3つの契約形態の違いと選び方を解説します。
3つの契約形態の比較
| 請負契約 | 準委任契約 | 顧問契約 | |
|---|---|---|---|
| 約束する内容 | 成果物の完成 | 作業の遂行 | 助言・レビュー |
| 報酬の条件 | 成果物が完成したら支払い | 稼働時間に対して支払い | 月額固定で支払い |
| 不具合の責任 | 受注側が修正義務あり(契約不適合責任) | 原則なし(善管注意義務のみ) | なし |
| 仕様変更 | 追加費用が発生 | 柔軟に対応可能 | 対象外(開発は別契約) |
| 向いている | 要件が明確な開発 | 要件が変わりやすい開発 | 技術相談・レビュー |
どの契約を選ぶべき?
請負契約
成果物が明確
「5ページのコーポレートサイト」「顧客管理システム」など、完成形が明確に定義できる場合
準委任契約
試行錯誤が必要
AI開発、新規サービスなど、作りながら仕様を固めていく場合。アジャイル開発に向く
トラブルを防ぐためのチェックリスト
- 成果物の定義を明確にする — 「いい感じのサイト」ではなく、画面一覧・機能一覧・受入基準を文書化。請負契約では特に重要
- 仕様変更のルールを決める — 「仕様変更は書面で合意し、追加費用と納期を再見積もり」等のルールを契約に明記
- 検収条件を明確にする — 何をもって「完成」とするか。テスト項目、動作環境、ブラウザ対応範囲を事前に合意
- 知的財産権の帰属を確認 — ソースコード、デザインの著作権が発注側に移転されるか。契約書に明記
- 契約不適合責任の期間を確認 — 納品後にバグが見つかった場合の修正義務期間(一般的に1年程度)
最も多いトラブルは「成果物の認識のズレ」です。 「言ったつもり」「聞いたつもり」で進めると、完成品を見て「これじゃない」になる。要件定義書(RFP)と画面モックアップでの合意が必須です。
費用感の目安
| 契約形態 | 費用の考え方 | 目安 |
|---|---|---|
| 請負 | 成果物に対する一括払い | 案件次第(10万〜数百万円) |
| 準委任 | 月額 × 稼働時間 | 月30〜80万円(フルタイム相当) |
| 顧問 | 月額固定 | 月5〜20万円 |
注意: 費用はあくまで目安です。プロジェクトの要件・規模によって変動します。
まとめ
- 要件が明確なら請負、試行錯誤が必要なら準委任、相談だけなら顧問
- トラブル防止のカギは成果物の定義・仕様変更ルール・検収条件の事前合意
- 知的財産権の帰属は必ず契約書に明記する
- 迷ったらまず顧問契約で要件を固めてから請負で開発する方法もある
JIT株式会社
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