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(更新: 2026年7月3日)

システム開発の外注と内製、中小企業はどちらが安いか

社員50人以下の会社が、システム開発を外注すべきか内製すべきかを判断するための記事。5つの質問で向き不向きを切り分け、3年間の実額比較、給与以外にかかる隠れコスト、AIがあれば社員だけで作れるのかまで答えます。

「外注か内製か」は二者択一ではありません。 多くの中小企業にとっての最適解は「コア機能は内製 or IT顧問と協業、それ以外は外注」のハイブリッドです。この記事では、判断基準・実額でのコスト比較・内製の隠れコスト・AI時代の新しい選択肢まで解説します。

外注と内製、どちらが向いているか判断できますか?

次の5つに答えれば、おおよそ決まります。

  1. 開発の仕事は年間を通して途切れずあるか? — Yes なら内製の検討余地あり。No(単発・不定期)なら外注が合理的
  2. エンジニアを採用・評価できる人が社内にいるか? — No なら内製は高リスク。良い人材の見極め自体に専門性が要る
  3. 作りたいものは会社の競争力の核心か? — Yes(独自ノウハウの塊)なら内製寄り。No(一般的な業務システム)なら外注で十分
  4. 要件は今後も頻繁に変わるか? — Yes なら内製 or 準委任型の外注。No なら請負型の外注が向く
  5. 失敗したときに撤退できるか? — 外注は契約終了で撤退できるが、内製(雇用)は簡単にやめられない。不確実性が高いほど外注から始めるのが安全

目安: 5つのうち Yes が4つ以上なら内製の検討価値あり。2つ以下なら外注(+必要に応じてIT顧問)が現実的です。

外注と内製は、何がどう違いますか?

短期の安さと、長期の柔軟性が逆になります。外注は始めるのが速く、内製は続けるほど有利になります。

外注 内製
コスト(短期) ◎ 必要な時だけ △ 採用・教育コスト
コスト(長期) △ 案件ごとに費用 ◎ 固定費で済む
スピード ◎ すぐ着手可能 △ 採用から数ヶ月
品質 ○ 実績で選べる △〜◎ 人による
ノウハウ蓄積 △ 社内に残らない ◎ 社内に蓄積
柔軟性 △ 仕様変更は追加費用 ◎ すぐ対応可能

注意: 費用はあくまで目安です。プロジェクトの要件・規模によって変動します。

内製の費用は、給与だけで見ていいですか?

いけません。内製の費用を「エンジニアの年収」だけで見積もると、実際より大幅に安く見えてしまいます。

隠れコスト 内容
採用コスト エンジニア採用は競争が激しく、人材紹介の手数料は年収の30〜35%が相場。採用まで数ヶ月かかることも
教育・立ち上がり 入社後すぐ戦力にはならない。業務理解・環境整備の期間も人件費は発生する
マネジメント 技術者を評価・指導できる上司がいないと、成果の妥当性を判断できない
離職リスク 1人内製の最大の弱点。退職するとシステムの中身を知る人がゼロになり、保守不能に
開発以外の期間 開発の仕事が少ない時期も固定費(給与)は発生し続ける

「1人だけ雇う内製」が一番危険です。 その1人が辞めた瞬間に、誰も直せないシステムだけが残ります。内製に踏み切るなら、最低でも「引き継げる体制」か「外部に相談できる相手(IT顧問等)」をセットで考えてください。

3年で見るといくら違いますか?

顧客管理システムの場合:

  • 外注: 初期30〜80万円 + 保守月1〜3万円 = 3年で66〜116万円
  • 内製(エンジニア1人雇用): 年収400〜600万円 × 3年 = 1,200〜1,800万円
  • 外注 + IT顧問: 初期30〜80万円 + 顧問月5〜10万円 = 3年で210〜440万円

中小企業で「顧客管理だけ」のために内製チームを持つのは過剰投資。外注 + IT顧問がコスパに優れる。

AIがあれば、社員だけで作れませんか?

個人の効率化までなら作れます。業務で使い続けるものは別です。

2026年現在、AIコーディング支援の普及で「エンジニアでない社員がAIと一緒に社内ツールを作る」(いわゆる市民開発)も現実味が出てきました。実際、簡単な集計ツールや自動化スクリプトなら、非エンジニアでも動くものが作れる時代です。

ただし、開発を本業とする立場から率直にお伝えすると、「動くものが作れる」と「業務で使い続けられる」の間には大きな差があります

  • セキュリティ — AIが生成したコードには脆弱性が混ざることがあり、それに気づくには結局知識が要る
  • 保守 — 作った本人しか触れないツールは、その人の異動・退職で「1人内製」と同じ問題を起こす
  • データ管理 — 顧客情報を扱うツールを検証なしで使うのはリスクが大きい

現実的な使い分け: 個人の作業効率化(自分だけが使う集計・変換ツール等)はAIと市民開発で十分。複数人で使う・顧客データを扱う・業務が止まると困るものは、プロの設計・レビューを通すことをおすすめします。

うちの規模だと、どれが現実的ですか?

社員数で分かれます。エンジニアを雇えるかどうかが分岐点です。

社員10人以下
外注 + IT顧問

エンジニアを雇う余裕がない。外注で作り、IT顧問が品質チェックと方向性を監督

社員10〜50人
ハイブリッド

コアシステムは内製 or 顧問と協業。周辺システムやLP等は外注

社員50人以上
内製チーム + 外注

社内にエンジニアチームを持ちつつ、スポットで外部リソースを活用

外注で失敗しないために、何をすればいいですか?

5つあります。いちばん効くのは「小さく始める」ことです。

  1. 要件を明確にする — 曖昧な状態で発注しない。要件定義に時間をかける
  2. 小さく始める — 最初から大規模発注しない。まず1機能で信頼関係を構築
  3. コミュニケーション頻度を上げる — 週1回は進捗確認。丸投げは失敗の元
  4. ソースコードの所有権を確認 — 納品後にソースコードを受け取れるか
  5. 保守体制を確認 — 作って終わりではない。保守契約の内容を事前に確認

スマートフォン向けを想定している場合は、Webアプリ vs ネイティブアプリで作り方ごとの費用差も確認しておくと判断しやすくなります。

まとめ

  • 中小企業(50人以下)は外注 + IT顧問が最もコスパが良い
  • 内製の費用は給与だけでなく採用・教育・離職リスクの隠れコストまで見る。特に「1人だけの内製」は危険
  • 外注の鍵は要件の明確化・小さく始める・丸投げしない発注の実務は別記事で詳しく
  • AI時代の市民開発は個人の効率化ツールまで。複数人で使うものはプロの設計・レビューを
  • 「外注か内製か」ではなくハイブリッドが現実解
JIT株式会社

JIT株式会社は、外注先としてもIT顧問としても対応可能。開発と監督を一気通貫で提供できるのが強みです。

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